特定建築物(特殊建築物)調査

◇建築物は適切に維持保全されていますか?

多くの人が出入りするビルなどの建物には、安全面で問題がないかを定期的に調査点検することが義務づけられているのです。もしこの点検を怠ると、ビルの老朽化や設備の故障に気づかず放置して、壁が崩落するなどの危険な状態を引き起こしてしまう可能性があるため、所有者や管理者は必ず調査報告を行わなければなりません。

具体的には、ホテル・病院・百貨店・飲食店や共同住宅など多数の人が利用する用途の建築物で、一定規模以上のものを指定しています。         ※所管行政庁により用途・規模は異なります。

 


1:敷地・地盤

敷地や地盤に加えて、塀や擁壁の状態を目視中心に調査します。ひび割れや陥没などの損傷の具合、

排水が正しく行われているかなど、建築基準法施行令によって定められている敷地内の通路が適法状態で

あるかもチェックします。

    <隣地境界ブロック塀に損傷>

     <地盤沈下により犬走り損傷>



2:建築物の外部

建物の基礎部分から外壁の状態、サッシや窓に関する項目、外壁に設置された看板等の状態を調査します。

外壁仕上材の落下につながる外壁の調査は最も重要になります。全国的に外壁タイルの落下事故が

相次いだため、現在では築10年を超えた建物は外壁の全面打診調査を実施しなければなりません。

     <外壁仕上材にクラック・浮き>

      <外装仕上材の剥離>



3:屋上及び屋根

屋上や屋根周りの劣化・損傷の状況を確認していきます。基本的には目視ですが、建物の維持管理には

とても重要な調査となります。日常は見に行かない場所だからこそ放置されがちです。

防水層の劣化や破れ、屋根葺材の割れや欠損、排水溝やドレーンの詰まりにより漏水の原因の発見が遅れ、

改修に大きな費用がかかることがあります。

また、屋上設置の機器類の錆や損傷、看板支持鉄骨の錆・腐食などを見ます。

<屋上ドレーン周り 防水劣化>

<屋上防水シート 剥れ>

<高架水槽架台に錆>



4:建築物の内部

建築物の内部が、建築基準法にそっているかを目視と建築図面の両方から調査していきます。

防火区画や壁・床・天井などの状態の調査、さらに火災の際でも耐火性能が確保されているかなどが

重要になります。

天井については、地震災害時に吊り天井が落下する事故があり、近年新たに「特定天井」の調査が追加に

なりました。

防火設備については、法改正で「防火設備の定期検査」が独立する形で報告することになったので、

常閉防火扉のみが調査対象となります。

<内壁 モルタルのクラック>

<床に不陸>



5:避難施設等

災害時等の際の避難に重要な点が建築基準法に適合しているかを、目視と建築図面から調査します。

主に避難通路の確保の状況や避難階段の状況、防煙区画や非常用の照明器具の点灯確認も

調査に含まれます。

自然排煙の排煙窓は実際に開けて作動を確認します。

     <手動排煙窓 開閉確認>

<非常用照明 点灯確認>



6:その他

特殊な構造の部材についてや、避雷針などの避雷設備、その他煙突の劣化・損傷状況の項目があります。

膜構造建築物(東京ドームのような建築物)の場合は膜の状態、免震装置が設置された建築物の場合は

装置の状態、避雷針・避雷導線等・煙突は劣化・損傷を確認します。


外壁診断

建築基準法施行規則の一部改正(平成20年4月1日施行)により、定期調査の項目や判定基準の明確化、

また報告内容も検査資料添付等が義務付けられ、外壁の全面打診も定められました。

外壁が欠損・浮き・ひび割れ等の破損により剥落し、歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的に

調査します。詳細はこちら


1)新技術での打診検査  

   高所作業車による点検で、困難な箇所や狭小部・トンネル側壁部・建築部タイル他の点検が可能です。

外壁診断
外壁診断


2)サーモグラフィ検査  サーモグラフィ(赤外線調査)を使用して外壁の浮き部を調査します。

赤外線カメラ診断法は全面打診に代わる、新たな調査方法として注目を集めています。

-赤外線カメラのメリット-

①仮設費が不要であり比較的安価である

②検査時に騒音がしない 

③モルタル+塗装仕上げ外装の場合は、状況により打診調査より微細な浮き状況まで把握できる

④浮きの可視化が可能。取得画像の補正で正確な情報を取得できる

 

⑤調査にかかる時間が少なく済む


ご依頼の流れ

1】ご依頼

     電話・メールどちらでもかまいません。

     ご相談・お見積もりのご依頼だけでも喜んでお受けいたします。

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【2】打合せ

     下記の書類がお手元にございますと打合せがスムーズになります。

     1.設計図書関係(確認申請[副本]、竣工図)

     2.前回の報告書(前回調査を行っている場合のみ)

 

     ※上記の書類がお手元にない場合でも、市役所や特定行政庁で確認できるものもございますので、

      ご連絡の際には担当者にお申し付けください。

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【3】お見積り

     多様なサービスの展開により、メンテナンスをまとめて実施させていただくことで、

     時間短縮と低予算を実現しております。